最も質の高いエビデンス
最も信頼度の高い、高質なエビデンスは「多くの論文が発表されていて、それらのメタ分析論文も発表されている」ものになります。メタ分析というのは、実際に試験や測定を行わず、複数の論文を並べて評価、分析する手法です。同じテーマで複数の論文がある場合、まったく反対の結論になっている場合もありますし、測定条件などが異なっていて、結果にも差がある場合もあります。なので、ひとつの論文だけを取り上げてああだこうだいうのはリスクがあって、様々な論文を総合して判断されたメタ分析結果があるものが最も信頼性の高いエビデンスになります。
信頼できるエビデンス
普遍的だったり、逆に超革新的なテーマは多くの方が研究するので、それだけ論文の数が増え、メタ分析が可能になるのですが、(スパオールのような…)新技術ではあるものの、アカデミックな世界では分の悪いテーマは研究する人が少なく、論文も少ないのでメタ分析される機会がありません。そのようなテーマの場合に、前回ご紹介した「P値」がひとつの目安になります。P値が0.05以下であれば、とりあえずは十分なサンプル数(被験者数)が確保されていて、個人差の問題をクリアしているといえます。また、専門機関において測定が行われ、専門家の監修がついているものはさらに信頼度が高いといえます。スパオール関係で「エビデンスがある」と紹介する場合には、基本的にこのレベルになります。人体を対象とした臨床試験の場合、少なくとも100万円単位の費用がかかります。
参考レベルのエビデンス
P値が不十分(サンプル数が不足)、専門機関で測定されていない(測定方法が不安)といったデータは基本的には参考レベルです。「信頼できるエビデンス」を取るには、前述の通り高額な費用が必要になるので、参考レベルでよいので、まずは低コストでデータを取ります。また、なにかアイデアがある場合に、その正当性を確かめるためにも簡易的な試験が行われます。当社でも頻繁に行っています。
測定機関による信頼度の差
さきほどから「専門機関」と書いていますが、そこにも差があります。特に臨床試験の場合、大病院や有名大学の研究室というのが信頼度の高い専門機関であり、研究者が独立して開設したばかり、といった測定機関は信頼度が低いと言えるでしょう。〇〇大学よりも□□大学の方が質が高い、とか、監修の先生が有名か無名かなどが話題になることもあります。ブランド価値みたいな話に近いので、バイヤーさんとの商談やマーケティングの場面で耳にする機会が多いです。この部分を細分化したら本当に200種類つくれるかもしれませんが、意味はないですね。
物性試験と臨床試験
これまでの内容は主に臨床試験を想定したものですが、物性試験はこれよりは簡単と言えます。基本的に個体差がないので再現性が高く、測定器さえあればどこでも同様のデータが取れます。また、測定方法もJIS規格で明確に定められています。スパオール関係では赤外線放射率や成分分析、洗濯や摩擦の耐性などが物性試験にあたります。 ひとくちに「エビデンス」といっても信頼度や質には差があるということがおわかりいただけましたでしょうか?スパオールに関しては、ご利用者様の信頼を損ねることがないように、十分なエビデンスを積み重ねる努力を続けています。まあまあ怪しいので、そこにはこだわらないと(笑)。
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